遺品整理なんて、ちょっと大がかりな片付けでしょ、と思っているかもしれません。
でも、実際にやるとなると、どこから手をつければいいのか、何を捨てて何をとっておくべきなのか、迷ってしまう人も多いようです。
実際、遺品整理は、遺産相続などを見据えた仕分けや、形見分けなどを踏まえた仕分けが必要で、普通の片付けよりデリケートな作業といえます。
そこで今回は、上手な仕分け方やコツや注意すべきポイントなどについて見ていきましょう。
遺品整理とは?
まず、遺品整理とは何かをおさらいしておきましょう。
遺品整理の目的とは?
遺品整理とは、家族が亡くなったあと、故人の持ち物や家の中を整理し、片付けることです。
遺品整理をする目的は、主に3つあります。
- 遺産相続を踏まえ、貴重品や金品を把握すること
- 故人の愛用品などを家族や親しい人に形見分けすること
- 不要なものを処分すること
つまり、遺品整理とは、ただ単にいらないものを捨てて片付けるというだけではありません。
故人がどのようなものを持っていたのかを把握し、必要なものとそうでないものを判断・選別していきます。
遺品整理を行い、故人の家や部屋を片付けることによって、遺族は気持ちに整理をつけることができます。
遺品整理をする時期は?
遺品整理は、いつまでにしなければならないという決まりはありません。
実際には、葬儀が終わったあともさまざまな手続きをする必要があるため、遺品整理までなかなか手が回らないという人が多いのではないでしょうか。
また、大切な家族が愛用していたものを片付けてしまう気持ちにも、なかなかなれないものです。
とはいえ、いつまでも片付けずにいるわけにはいきません。
一般的には、四十九日を目安にする人が多いようです。
四十九日は、法要で親族が集まる機会なので、それまでに片付けておき、親族への形見分けをするという方法があります。
また、四十九日の法要で親族が集まったときに、一緒に遺品整理と形見分けを行うという方法もあります。
気をつけたいのは、遺品の中には、現金・有価証券・土地の権利書など、相続に関わるものが含まれていることです。
相続税の申告は、相続が発生してから10ヶ月以内に行わなくてはならないため、遺品整理も早めに取りかかった方が良いと言えるでしょう。
また、持ち家の場合は、相続をきちんと済ませれば、残りの遺品整理は心の整理がついたときにゆっくり行ってもよいでしょう。
しかし、故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、賃貸契約に合わせて遺品整理を済ませなくてはなりません。
時間がかかりそうな場合は、日割り家賃が可能かどうか大家さんや管理会社に確認しましょう。
スケジュールを立てる
遺品整理は、故人の家族を始め、故人に近しい人が行うことがほとんどです。
遺品の片付けは時間も労力もかかります。
片付ける人自身の生活もありますし、遺品整理だけにかかりっきりというわけにはいかない場合もあるでしょう。
また、不用品の運び出しや、大きいもの、重たいものを運ぶこともあるので、人手も必要になります。
まずは遺品整理を行う人を決め、スケジュールを立てましょう。
家の大きさや広さ、また、個人が生前整理をしていたかどうかにもよりますが、あちらこちらで同時に手を付けてしまうと、出した荷物で足の踏み場もなくなってしまう場合があります。
そんなことにならないよう、たとえば「○○日はこの部屋」「△△日はキッチン」などというように、メンバーのスケジュールや体力などと擦り合わせ、無理のないスケジュールを組むようにしましょう。
道具を用意する
遺品整理を行うために必要な道具を用意しておきましょう。
- ごみ袋
- ダンボール箱
- マジックペン
- ガムテープ、ビニールひも
- はさみ、カッターなど切るもの
- 古新聞紙
- 軍手
- マスク
- 脚立
ごみ袋は、45Lと90Lの2種類があると便利です。
ダンボール箱は、持ちやすいサイズのものを多めに用意しておきましょう。
高いところのものを外したりする場合、椅子などでは転倒の危険があります。
しっかりした脚立を使用しましょう。
遺品整理に適した服装は?
遺品整理は、動きやすい服装で行いましょう。
しゃがむ姿勢を取ることも多いので、ボトムにはしゃがむのが楽なズボンを着用します。
ジャージやスウェットなどが適切ですが、近隣へ挨拶したり、不用品を捨てたりなど外に出ることもあるため、動きやすいジーンズやチノパンなどでも良いでしょう。
ものに引っ掛けたりなどケガをしないよう、トップは長袖がベターです。
上下ともに、なるべく体に添い、動きやすいもの、大きなボタンや飾りなどのないものを選びましょう。
作業中はホコリが立ちます。
また、カビやばい菌などを吸ってしまうこともあるため、必ずマスクを着用しましょう。
怪我を防ぐため、手には軍手など手袋を着けます。
段ボール箱は意外と滑りやすいので、ゴム付きのものがおすすめです。
上手な遺品の仕分け方は?
繰り返しになりますが、遺品整理は単なる不用品の片付けではなく、必要なものや残しておくものを仕分けなくてはなりません。
貴重品
まず最初に、貴重品から手をつけましょう。
貴重品の中には、遺産相続に関連するものもあります。
勝手に処分せず、必ずひとまとめにしておきます。
- 現金、預金通帳、キャッシュカード、クレジットカードなど
- 土地家屋に関する権利関係の書類
- 株券など有価証券
- 生命保険などの保険証券
- 年金手帳、健康保険の書類
- 貴金属、美術品、ブランド品など金銭価値の高いもの
- 契約書、領収書、請求書、借入金、ローンなどの重要書類
ひと段落ついたら、一覧表にしておくとよいでしょう。
そのほかの残しておくもの
残しておくものについては、表に記入しながら仕分けて行くと、あとで整理が楽です。
特に、細かいものが多い場合や、遺品整理を行う人数が多い場合、作業が進めやすくなります。
残しておくものの行き先は、そのまま置いておくもの、形見分け、寄付、オークション・フリマなどでの売却など。
不用品
不要なものはまとめて処分することになるので、こちらも分類表を作成しましょう。
ポイントは、自治体のごみ回収日を書いておくことです。
大量に出る場合は複数回に分けて出さなくてはならないこともあるため、忘れないように書いておきましょう。
持って帰るもの
タンスの中にある衣料や、冷蔵庫の中にあるもの、保存がきく食品など、整理をした人が持って帰るものがあれば分けておきます。
タンスや衣装ケースは、中身を整理し、簡単にたたんでポリ袋やダンボール箱に分けていきましょう。
衣料品は、大きく
- 持って帰るもの
- 寄附/売却するもの
- 処分するもの
の3つに分けます。
キッチンにある調味料、冷蔵庫の中にある保存食品、また、洗剤など雑貨についても、持って帰るものと処分するものに分けておきます。
冷蔵庫の中の不要なものは、生ごみとしてその日のうちに処分しましょう。
まとめ
遺品整理は、仕分けそのものも大変ですが、あとの処分にも労力がかかります。
どちらもできるだけわかりやすく進めるには、表の活用がおすすめです。
ただ、あまりにも遺品が多すぎる場合や、時間をかけずに整理をしたい場合は、遺品整理業者に依頼するのもよいでしょう。
業者に依頼すれば、プロの目で重要なものを見逃さず仕分けてもらえます。
不用品を自分で運び出したり処分したりする必要もありません。
まだ使えるものの買い取りや形見分け配送サービスも行っています。
また、遺品の供養なども依頼できるので、自分で遺品整理を行うのが難しい場合は検討してみてもよいでしょう。
どの方法でも、故人が喜び、また、残された家族の気持ちもスッキリする遺品整理になるといいですね。
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