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葬送方法の「散骨」について解説
2020-09-22

お墓の形は時代とともにどんどん変化を遂げています。

なかでも近年注目を集めているのが、「散骨」という供養の方法です。

散骨や、故人が生前好きだった海や山など、好きな場所を選んで行えることから、散骨を希望する故人や遺族が増えています。

今回は、この散骨について、種類や費用、注意点についてまとめました。

 

散骨とは

 

散骨は、遺骨を粉状にして撒く供養方法です。

従来の、お墓に埋葬する供養の形とはまったく異なり、お墓を持たないという点が大きな特徴となります。

 

散骨のメリット

 

・散骨費用が安い

・墓石の管理や墓参りをする必要がない

・遺族・親族に心身的、経済的な負担がかからない

・宗教にとらわれず供養できる

・故人が好きだった場所で、自然に還ることができる

・寺や霊園が破綻する心配がない

 

散骨をする1番のメリットは、「お金がかからない」ということです。

業者に依頼した場合、お骨の粉砕費用や散骨代は発生しますが、お墓を立てる費用よりも圧倒的に低費用で済みます。

散骨は業者へ依頼せず個人でも行えるので、散骨だけ業者にお願いすれば、たったの数万円しかかかりません。

また、墓参りや墓石に維持管理が不要なため、遺族も負担が少ないです。

 

散骨のデメリット

 

・墓参りができない

・遺骨が残らない

 

散骨のデメリットは、墓石がないため墓参りができないことです。

そのため、墓参りの風習に重きを置きたい方や、弔う場所がなくなることに抵抗がある方には向きません。

 

散骨が向いている人

 

・お墓に入りたくない方

・亡くなった後は自然に還りたいと希望している方

・墓石の管理をする人(後継者)がいない方

・無宗教でお墓の必要性を感じていない方

 

故人がお墓に入りたくない、自然に還りたいと望んでいる場合や、亡くなった後にお墓を管理する遺族がいない方は、散骨を選択する方が多いです。

また、お墓の必要性をそこまで感じておらず、金銭的にも低予算で供養したい場合も、散骨が向いています。

 

散骨の種類と費用

 

散骨を行う方法として、「業者へ依頼」と「個人で行う」2つの方法があります。

さらに、散骨の種類も豊富で、費用も散骨方法によって違いがあるのです。

散骨方法と費用を以下にまとめました。

 

散骨方法 概要 散骨費用
業者へ依頼 海洋散骨 委託散骨 業者に遺骨を預けて、粉骨・海への散骨まで代理でお任せする 4~5万円
合同散骨 複数の遺族が同時に海への散骨する 10万円
個別散骨 親族や友人を集めて海へ散骨する 20~25万円
空中散骨 空からヘリコプターなどで散骨する 20~25万円
山への散骨 山へ登り樹木のなかで散骨する 10~15万円
宇宙散骨 遺骨をつけたバルーンをロケットで宇宙へ飛ばして散骨する 25~30万円
海外で散骨 日本以外の国で散骨する 場所による
個人で散骨 業者へ依頼せず、自分たち手続きを行い、散骨する 2~3万円

(粉骨代のみ)

 

一般的には業者へ依頼するのが主流

 

般的には、親族や個人で行うのではなく、散骨専門業者へ依頼することが多いです。

業者にお願いすれば、遺骨の粉砕から献酒、献花の用意までお任せできるので比較的容易に散骨することができるでしょう。

散骨専門業者の中には、海洋散骨を行う上で必要な船のチャーターまで行ってもらえるところもあるので、段取りが分からなくても散骨できます。

散骨は、法律で定められてはいないものの、自治体ごとにルールや規制を設けている場合があるため、専門業者に依頼した方が安心です。

 

散骨を行う手続きに必要なもの

 

散骨を業者へ依頼する場合、書類の提出が求められます。

事務手続きを行うために、以下の書類は必ず必要になりますので、きちんと用意しておきましょう。

 

1.  死亡届

2.  死亡診断書

3.  火葬(埋葬)許可証

※このほか、依頼者の身分証のコピーが必要になる場合もあります。

 

死亡届は家族が亡くなった時に、親族が届け出る書類で、死亡診断書は担当医師が記入してくれます。

火葬(埋葬)許可証は、死亡届を提出してから発行される書類です。

上記の書類は、墓に埋葬する際に必要になるものなので、散骨だからといって特別用意しなければならないものはありません。

通常火葬を行うときに必要な書類をすべてそろえておけば、散骨の手続きもスムーズに行えるということを覚えておきましょう。

 

散骨を行う際の注意点

 

散骨を行う場所は事前に確認が必須

 

散骨は埋葬と違って、法律で定められていません。

そのため、基本的には粉骨を行う場所は自由に決められます。

しかし、山とはいっても他人が保有している私有地の場合もありますし、人の目につく公共の場所などは散骨地として適しません。

法律で定められていないからこそ、節度を守ることが重要です。

また、自治体によっては、散骨を認めていない地域もありますので、事前に必ず確認しておきましょう。

 

散骨する場合は、周囲に「遺骨」だと分からないような配慮を

 

散骨をする遺族にとっては大切な家族の骨だとしても、他人からすれば遺骨を見るのは決して気持ちの良いものと思わない方もいます。

散骨をする場合は粉砕し、周囲に遺骨だとわからないよう徹底した配慮を行いましょう。

人が少ない早朝など、散骨をする時間帯も調整することが大切です。

 

散骨時、喪服は避ける

 

散骨は個人を供養することに変わりはないので、喪服で行うイメージを持つ人も少なくないでしょう。

ですが実際は、散骨時の服装として喪服は避けた方が無難です。

散骨は、足場の悪い山のなかや、船上など、安全性に配慮すべき場所で行われることが多いため、動きにくい喪服は適しません。

また、散骨をする場所には、観光やハイキングを目的として足を運んでいる人もいます。

喪服を着ているとどうしても目立ってしまうため、周りの人に配慮をするという意味でも、喪服は避けるのが無難でしょう。

 

まとめ

 

散骨は、場所にとらわれず比較的低予算で供養ができます。

海や山での散骨や、宇宙で遺骨を飛ばして散骨するなど、埋葬するのとはまるで違う弔い方ができるのも、近年散骨が増えている理由です。

「家族が亡くなった後、お墓を維持管理する人がいない」「後継者がいない」「家族の負担をかけたくない」とお考えの方は、ぜひこの機会に散骨を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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