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テレビドラマ化もされている特殊清掃って何? わかりやすく解説
2020-09-22

2018年1月から放送されているテレビドラマ『anone』で、女優の広瀬すずさんが特殊清掃で働く少女役を演じています。
1月に放送された第1話では、広瀬さんが死後1カ月経っていた60歳男性の部屋の処理をするシーンがあります。
青いネイルを手袋で隠し、表情も変えず仕事を始める様子は、とてもクールでした。

これまで、特殊清掃がこのようなドラマで扱われることはなかったのではないでしょうか?
遺品整理と同様、特殊清掃も世間的に認知度が高まってきているということなのでしょう。

そんな特殊清掃についてみていきましょう。

特殊清掃とは?

まずは、特殊清掃というものについて、詳しくご説明します。

  • 特殊清掃って何?
  • 特殊清掃の基本的な業務内容とは?
  • 特殊清掃は自分で行える?
  • 特殊清掃を仕事にするには?

特殊清掃って何?

「特殊清掃」とは、清掃業の中のひとつの形態です。
「事件現場清掃業」とも呼ばれますが、それは、主に事件や事故、自殺、孤独死などがあった部屋を清掃するからです。

近年、急増しているのが、一人暮らしの高齢者の病死、また自殺や突然死などです。
一人暮らしの高齢者は周りとの交流がない人が多く、孤独死してしまっても周囲になかなか気づかれません。そして、そのまま長い時間が過ぎてしまうケースが増えています。

遺体は、発見が遅くなればなるほど腐敗し、室内のダメージが深くなっていきます。
遺体まわりの汚れだけでなく、部屋の隅々まで腐敗臭が染み込むなど、部屋が悲惨な状況となっていくわけです。また、孤独死でない場合でも、いわゆる「ごみ屋敷」では、長年の汚れが染み付き、害虫なども発生し、酷い状況になっている住居が少なくありません。

部屋がこうなってしまったら、原状回復が必要になります。特に賃貸の場合は、部屋を明け渡さなくてはならず、急を要するケースが少なくありません。
しかし、このような場合、一般的な清掃作業では原状回復は望めず、素人にはとても対処ができないのです。

このようなとき活躍するのが特殊清掃です。様々な知識や技術を駆使し、管理会社や大家さんに明け渡せる状態に戻します。

特殊清掃の基本的な業務内容とは?

現場の状態によって必要な作業は異なりますが、基本的に行なわれている特殊清掃は以下のような内容です。

害虫駆除

遺体の腐乱が進むと、ウジやハエ、ゴキブリなどの害虫が大量に発生します。
これらの害虫を薬剤で駆除し、再発しないよう防止処置を施します。

室内の清掃・死臭元の撤去

まず室内を清掃し、遺体から出た血液や体液、汚物などで汚れた布団や畳などを撤去します。
死臭元は布団である場合が多いですが、畳や床板、フローリングまで死臭が染みついている場合があります。

感染症予防

汚れた部屋の空間には、細菌やウイルスが漂っています。血液などに誤って触れてしまうと、感染症を引き起こすことがあります。
専用酸化剤などを散布し、これらを死滅させて感染症を予防します。
また、撤去できないフローリングなどに染みついた体液をできる限り落とします。

特殊清掃用の薬品の使用

特殊清掃用に作られた消臭剤や消毒剤を使い、臭気を除去していきます。また、滅菌します。

遺品整理

故人の思い出の品や貴重品を仕分けていき、遺品を整理します。
業者によっては、不用だけれどまだ使えるものがあれば、リサイクル品として買い取りしてくれたり、自動車などの廃車手続きなどを代行してくれます。

不用品処分

故人の部屋を片付けると、大量の不用品が発生することがほとんどです。
家庭ごみから粗大ごみまで、さまざまな不用品を処分します。

リフォーム

長い間放置された遺体が発見された周辺は、消臭作業をしても原状回復に至らず、リフォームが必要となります。
特に、畳み受けの板や床材の内部まで液体が染み込んでいた場合、内装工事をするしかないケースがほとんどです。

特殊清掃は自分で行える?

特殊清掃を自分で行うことは無理です。
一番は臭気。慣れた業者でないと、腐臭に耐えられません。また、遺体はなくても、この場にいることが精神的に耐えられない遺族も多いようです。このような大掛かりな清掃はご近所になるべく知られたくないものですが、素人では近隣にわからないよう行うことは難しいでしょう。

感染症などを防ぐためには防護服が必要となります。さらに、消毒や清掃は一度で済むわけではなく、何度も繰り返しながら行います。
その際、資格を持っていないと扱えない特殊な薬品や、一般には揃えることができないような道具が必要となることもあります。
自分の体を守りながら部屋を殺菌・清掃していく作業は、プロに任せましょう。

特殊清掃を仕事にするには?

特殊清掃は、誰かがやらなくてはならない仕事です。人の役に立ちたいと、この仕事をしたいと思ったら、どうすればよいのでしょうか?

特殊清掃の仕事は、求人誌やインターネット上の求人情報サイトで探すことができます。
「特殊清掃」「遺品整理」などのキーワードで調べるとよいでしょう。ハローワークで探すこともできます。
ただし、募集件数は少なめのようです。こまめに求人情報をチェックしましょう。

近年、業者が増えてきたため、給与は下がる傾向にあるようです。
業者や地域にもよりますが、20〜35万円くらいが相場。アルバイトなどで1件の報酬は1〜2万円ほど。

また、24時間対応の業者が増えているため、早朝や深夜にかかわりなく出勤しなくてはならないこともあります。
このようなハードな仕事だけに、この仕事に携わる強い動機や意志のあるスタッフが残っていくようです。

もし、あなたが特殊清掃の依頼人になったら……

いつ起こるかわからない孤独死。もし離れて暮らしている家族がいるなら、あなたも依頼人になる可能性があるかもしれません。
特殊清掃を依頼する側になった時の対処についてみてみましょう。

  • 遺族は原状回復の責任をどこまで負うべきか?
  • 遺族か? 連帯保証人か?
  • 清掃費用を抑えるためには?

遺族は原状回復の責任をどこまで負うべきか?

賃貸契約を結ぶ際には、ほとんどの場合、連帯保証人が必要ですよね。
保証人は血縁の人を選ぶ場合が多いのですが、もしあなたが連帯保証人を引き受けていた借主が亡くなった場合、どのような責任が生じるのでしょうか。
また、遺族に責任が及ぶことがあるのでしょうか?

遺族か? 連帯保証人か?

孤独死や自殺された事故物件は、原状回復しなければ次の人に貸せません。
原状回復が必要な場合、遺族と連帯保証人、果たしてどちらに責任があるのでしょうか?一般的には遺族側が負担するケースがほとんどですし、連帯保証人も親族に限っていることが多いですね。
遺族は、相続放棄をすれば原状回復費用の支払い義務はなくなります。
しかし、連帯保証人は、保証人であるその責任から逃れることはできません。
遺族であってもなくても、連帯保証人となっている人は、たとえ相続放棄をしても、原状回復費用の支払い義務があります。

ただ、孤独死の場合、もし遠縁の親戚などを見つけたとしても、法的に費用負担の義務があるかどうか(相続権があるかどうか)は難しいところです。
だからこそ、賃貸の連帯保証人は近い血縁の人を選ばせることが多いわけです。

これは、日本では「身内が責任をとるべき」という考えが強く、親族を連帯保証人にすれば、責任をとってもらいやすくなるからです。

清掃費用を抑えるためには?

原状回復にかかる費用は、部屋の大きさや業者によって異なりますが、費用をできる限り抑えたいのは人情ですよね。
それには、優良業者を選ぶことが第一です。豊富な経験と知識があり、依頼者の立場に立った作業をしてくれる業者は、遺族の負担をなるべく少なくするよう、必要な作業だけを行います。

しかし、なかには本当なその必要がない状態なのにリフォームを勧めたり施工したりし、高額な請求をしてくる業者もいます。
できる限り複数の業者に問い合わせて見積もりを出してもらい、また、本当にこちらの立場に立って作業してもらえそうかどうか見分けることが大切です。

もし、あなたが大家さんだったら……

次は、逆の立場で考えてみましょう。貸している物件で孤独死や自殺が起こると、賃料や清掃費用、次の借り手が見つからないなど、さまざまな損害が出ます、
そのような場合、大家さんは遺族や保証人にどこまで補償を請求できるのでしょうか?

  • 請求できるのは?
  • いざという時のために

請求できるのは?

大家さんが請求できるのは、以下の費用です。

原状回復費用

原状回復のための特殊清掃費用です。状態によっては部屋のクリーニングだけでなく、備え付け設備の取り換えや内装工事費用なども請求することができます。

退去までの家賃

発見までに時間がかかることが多い孤独死や自殺。発見されるまでの間も、家賃は発生します。
家賃は遺族によって契約解除され、部屋を清掃して完全に退去するまでの家賃を請求できます。

賃料収入減少による損害賠償

貸している部屋で借主が亡くなると、事故物件となり、しばらくその部屋を貸すのが難しくなります。
さらに、噂が広まると引っ越してしまう人が出たり、次の入居者を確保しにくくなったりするため、アパートやマンションから全体で見ても賃料収入が減ってしまいます。
このような場合、借主の相続人に対し、損害賠償を請求できる可能性があります。

いざという時のために近年、孤独死や自殺の問題はますます大きくなってきています。それに比例して、部屋の清掃や片づけの問題や責任の所在も大きくなっています。
身寄りのない住人が亡くなってしまうケースも少なくなく、全ての費用を大家さんが負担しなくてはならないかもしれません。

そんな事態に備えた新しい保険「賃貸住宅費用補償保険」が登場しています。
これは、所有する賃貸住宅戸室内での死亡事故に対して保障をしてくれる保険です。
この保険では、「家賃損害」と「原状回復費用」が保障されます。

家賃損害

次の入居者が決まるまで空き室になってしまうことによる家賃損害や、事故物件として値引きせざるを得なかった場合の家賃損害が補償されます。

原状回復費用

事故が発生した部屋を原状回復するための清掃、特殊清掃、室内の修復、遺品整理にかかる費用が補償されます。

安心で安全な賃貸経営をするために、このような保険を活用していくとよいでしょう。

核家族化、高齢化が進む日本。今後、特殊清掃の需要がますます高まって行くと予想されます。
特殊清掃に関して知っておき、いざという時に困らないよう備えておきたいものです。

 

 

 

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