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「家じまい」ってどうするの?かかる費用や相談先など
2020-09-17

老後の住まいについて悩む人が増えているようです。
子どもが独立したり配偶者を亡くしたりして家を広く感じたり、家の傷みが気になったり、使っていない部屋が物置のようになっていたり・・・。
子ども世代にマイホーム志向が少なくなっているといわれる現代。
「家をどうするか」は親世代にとって大きな問題となっています。
そんな中、終活の一つとして「家じまい」が注目されています。
今回は「家じまい」について見ていきましょう。

家じまいとは?

生まれ育った懐かしい我が家。以前は、子どもが継いで代々住み続けていくことが当たり前でした。
しかし、社会の変化によって核家族が増え、自立した子どもが実家を継がないことは珍しくなくなりました。
また、子どものいない夫婦も増えており、現在住んでいる家を継ぐ人がいないという家族が増えています。
このようなことから、近年「空き家」が社会問題になっています。

空き家問題とは?

空き家の最も大きな問題は、周辺や地域へ悪影響を与えることです。
空き家が放置されたままになっていると、老朽化によって家屋が倒壊したり、景観が悪化、また不衛生な状態から悪臭や害虫などが発生したりというように、近隣に多大な迷惑をかけることになってしまいます。
さらに、不法侵入や不法占拠などの犯罪リスクや、空き家内部での犯罪発生や放火されるリスクも高くなるため、周辺の治安に深刻な影響を与えてしまうのです。

しかし、空き家は年々増えています。
総務省の住宅・土地統計調査(平成30年)によると、空き家率は13.6%と過去最高となりました。
戸数では848万9千戸もの空き家があるのです。

家じまいとは?

自分たちが住まなくなったあと、トラブルが起こらないよう持ち家などを売却したり、手頃なマンションやサービス付き高齢者住宅などへ住み替えたりすることを「家じまい」といいます。

家じまいを行う理由は、大きく分けて2つあります。

子どもたちに迷惑をかけないため

古い家を受け継ぐとメンテナンスの手間や費用がかかり、固定資産税も大きな負担となるため、近い将来、負の遺産となる可能性があります。
そこで、子ども世代に負担をかけないよう元気なうちに家じまいを行うわけです。
また、相続時にもめやすい不動産を残渣内容、自分の代で家じまいをしておく人もいるようです。

家じまいをすると、売却代金を訪問介護費や賃貸や老人ホームへの住み替え費用、自分たちがいなくなった後にかかる遺品整理、葬儀やお墓の費用などに充てることができます。後々子ども世代に負担をかけないよう、資金不足に備えておく手段となるのです。

自分自身のため

家族が大勢いた時は狭く感じた家も、夫婦二人の生活には広過ぎると感じる人もいるのではないでしょうか。
高齢になると、広い家は、きれいに保つのが大変だったり、暖房や冷房などの費用がかさむことで生活に不安を感じることもあるようです。
また、古い家はバリアフリーでないことが多いため、安全面でも不安が残ります。
そのため、家を処分し現金に換え、夫婦二人の生活に適した大きさの住宅へ引っ越して、老後の負担を軽減する人が増えているのです。

家じまいをする前に

家じまいをすると、新しく住む家や、その後の生活について考えておく必要があります。
どのような選択肢があるのでしょうか。

賃貸マンションに移る

広すぎる一戸建ては、高齢の夫婦が住むには不便なことがあります。
体力・気力の衰えから手入れや掃除が行き届かなくなったり、年金の中から固定資産税を支払うのが不安になったりするからです。
その点、手頃な広さの賃貸マンションに住み替えると、生活が便利になる可能性があります。

施設に移る

介護付き住宅や、老人ホームなどに移る方法もあります。
実際に物件を見て、さまざまな施設を比較して決めるとよいでしょう。

セカンドハウスに移る

家の売却にともない、憧れの田舎暮らしを始める人も多いようです。
近年流行りのセカンドハウスに住んだり、住み手のいない古民家などに住んだりするのもいいかもしれません。
最近では、空き家を借りたい人とのマッチングをする「空き家バンク」などのを運営している自治体や、地方への移住を積極的に受け入れ「田舎暮らし」をPRする地域もあります。
ただし、田舎暮らしは、都会生活とは違い不便なこともたくさんあります。
その地方の特性や、そこでの生活について十分リサーチしましょう。

二世帯住宅を建てる

二世帯住宅を建てて子ども家族と同居するという選択肢もあります。
この方法には、子どもが自分たちだけでマイホームを建てるより安価で家を持てるというメリットがあります。
ただし、二世帯住宅は、その形態についてよく話し合う必要があります。
非完全分離型の住居では、単なる同居という形になってしまいます。
あくまで同じ建物内に住むだけであれば、水周りや玄関などがそれぞれ独立している完全分離型を選ばなくてはなりません。
今後、どのように生活して行きたいのかによって、家の構造は大きく変わります。必ず事前によく話し合いましょう。

家じまいの方法は?

家を処分するには、家を売却する方法と、家を解体して土地を売却する方法があります。

家を売却する場合

自宅の不動産価値を査定する

複数の不動産会社のサイトを比較したり、国土交通省が運営しているサイト「土地総合情報システム」で、大まかな価格を把握します。

仲介業者選び

各不動産会社の査定額、担当者の対応などを比較し、納得のいく仲介業者を選びましょう。
業者が決まったら、売却のための仲介契約を結びます。

売却開始

契約を結んだ不動産業者によって自宅売却の広告が作成され、販売が始まります。

内覧

家の内覧希望者から連絡があると、物件の案内が行われます。

条件交渉と売買契約

内覧後、ほとんどの場合、売却価格に関する条件交渉が入るようです。
購入希望者と交渉がまとまったら、売買契約を結びます。

引渡し

引き渡し日を決め、購入者に引き渡します。
引き渡し後、不動産業者に仲介手数料を支払います。

家を解体する場合

建物を解体して更地で売却する場合、家の解体費用が必要になります。
費用は家の大きさや建物の構造によって違いますが、木造の場合で1坪あたり2万円~3万円前後、鉄筋の場合、3万円~5万円ほどが目安になるでしょう。
また、解体作業を行う環境によって施工方法が変わるため、解体費用が変わってきます。
また、庭木や石の撤去など付帯工事の有無によっても解体費用は変わります。
さらに、古くなった家屋を解体することによって固定資産税が上がる可能性があることにも注意しましょう。

家じまいをする際の注意点は?

では、家じまいをする場合、注意すべきポイントを見ておきましょう。

家じまいのタイミングは?

賃貸物件を契約する際、賃借人が65歳以上の場合、家賃の支払い能力の問題や身元保証人の不在問題、孤独死の懸念もあるため、契約しにくい傾向があります。
そのため、家じまいをするなら早めのタイミングを選ぶ方がいいと言えます。

ただ、今後は、確実に高齢者が増え、高齢者の賃貸物件の需要は高まると予測されます。
そのため、バリアフリーやリスクサポートシステムを充実させた賃貸物件が増え、シニアに貸し出す業者も出てきています。
さらに、家賃の連帯保証サービスも登場しており、高齢者が賃貸しやすい環境は整いつつあります。

高齢になってからなら、UR賃貸の「高齢者向け賃貸住宅」を探すのもよいでしょう。

快適なセカンドライフを送る条件とは?

可能なら、子ども世帯や親族に近い場所に転居すると安心です。
それが難しい場合は、できるだけ孤立を避け、コミュニティーが充実している地域や、介護サービスが受けやすい地域に移ると安心です。
さらに、医療機関や文化施設に近い、アクセスがよいといった環境であればベターでしょう。

家じまいにかかる費用は?

家を売却すると、様々な税金や費用、手数料がかかります。
そのため、売却代金全てが入ってくるわけではありません。
どんな家かにもよりますが、売却がスムーズにいった場合、利益のうち5~10%は費用としてかかると考えておくとよいでしょう。

家じまいの相談先は?

家じまいをする際、どこに相談すればよいのでしょうか。
インターネットで検索すると、家じまいのサポートを行っている法人や、法律事務所が運営するサポートメディアがあります。
また、不動産会社でも受け付けているので、お近くの不動産会社に相談しているとよいでしょう。

さらに、遺品整理業者も家じまいの相談に乗っています。
遺品整理業者であれば、生前整理から家じまいまで、セカンドライフを迎えるにあたってトータルでサポートしてくれます。
転居時の大量の断捨離のサポートもしてもらえるので、相談してみるとよいでしょう。

まとめ

近い将来くる老後の生活には、多くの悩みがつきものです。
家じまいをすることが解決につながる問題もありますが、家を手放すのにはリスクもあります。
一度、家を処分してしまったら、もう二度と取り戻すことはできません。
どのように家じまいをするのか、家じまいをした後はどんな生活をしたいのか、家族でよく話し合い、綿密な計画のもと実行しましょう。

 

 

 

 

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